📚教育参考のみ — 医療アドバイスではありません。
十棗湯
傷寒論湯劑峻猛
出典に基づく教育参考
出典
傷寒論
原文
太陽中風、下利、嘔逆、表解したる者、乃ち之を攻むべし。其の人漐漐として汗出で、発作時にあり、頭痛、心下痞硬満、脇下に引きて痛み、乾嘔、短気、汗出でて悪寒せざる者は、これ表解して裏未だ和せざるなり、十棗湯之を主る。(『傷寒論』)
-- 懸飲を病む者は、十棗湯之を主る。(『金匱要略』)
-- 咳家、其の脈弦なるは、水あるが為なり、十棗湯之を主る。(『金匱要略』)
-- それ支飲の家あり、咳煩し、胸中痛む者は、卒かに死せず。百日あるいは一歳に至るまで、十棗湯之を主る。(『金匱要略』)
組成
芫花(熬) 甘遂 大戟 各等分 右三味、搗きて篩い、水一升五合を以て、先ず肥大棗十枚を煮、九合を取り、滓を去り、薬末を内れ、強人は一銭匕を服し、羸人は半銭を服し、平旦に温服す、下らざる者は、明日更に半銭を加う。快く下を得たる後は、糜粥を以て自ら養う。(傷寒雑病論)
用法
三味等分、各別に搗きて散と為す。水一升半を以て、先ず大棗の肥えたる者十枚を煮、八合を取り滓を去り、薬末を内れる。強人は一銭匕を服し、羸人は半銭を服し、温服し、平旦に服す。もし下した後病除かざる者は、明日更に服し、半銭を加え、快く下利を得たる後は、糜粥を以て自ら養う(現代用法:上3味を等分に末とし、あるいはカプセルに装入し、毎回0.5-1gを服し、毎日1回、大棗10枚の煎湯を以て送服し、清晨空腹時に服す。快く下利を得たる後は、糜粥を以て自ら養う。)
剤型
湯劑
功用
水飲を攻逐する。
伝統的主治
懸飲または支飲が、胸脇に停まり、咳唾すると胸脇に引き痛み、心下痞鞕、乾嘔短気、頭痛目眩、あるいは胸背が掣痛して息を得ず、水腫腹脹、二便不利で、実証に属するもの
注意
本方の作用は峻猛にして、ただ暫く用いるべく、久しく服すべきではない。もし精神・胃納ともに良く、而して水飲が尽きず去らざる者は、再び本方を用いることができる、もし瀉した後、精神疲乏し、食欲減退すれば、宜しく暫く攻逐を停むべし、もし患者が体虚邪実にして、また攻めざるを得ざる者は、本方と健脾補益剤を交替して使用し、あるいは先に攻めて後に補し、あるいは先に補して後に攻むべし。本方を使用するには四点に注意すべきである:一つは三薬を散とし、大棗の煎湯を以て送服すること、二つは清晨空腹時に服用し、小量から始め、量多く下ること多くして正を傷らぬようにし、もし服した後下すこと少なければ、翌日に加量すること、三つは服薬して快利を得た後は、宜しく糜粥を食して脾胃を保養すること、四つは年老体弱の者は慎用し、妊婦は忌服すること。