📚教育参考のみ — 医療アドバイスではありません。
麻黄湯
傷寒論湯劑
出典に基づく教育参考
出典
傷寒論
原文
太陽病、頭痛発熱、身疼腰痛、骨節疼痛、悪風、無汗にして喘ぐものは、麻黄湯之を主る。(『傷寒論』)
-- 太陽と陽明の合病、喘いで胸満するものは、之を下すべからず、麻黄湯を宜しうす。(『傷寒論』)
-- 太陽病、十日已に去り、脈浮細にして嗜臥するものは、外已に解したるなり。設し胸満脇痛あらば、小柴胡湯を与う。脈但だ浮なるものは、麻黄湯を与う。(『傷寒論』)
-- 太陽病、脈浮緊、無汗、発熱、身疼痛、八九日解せず、表証なお在るものは、此れ当に其の汗を発すべし。服薬已り、須臾にして、其の人煩を発し目瞑る。劇しきものは必ず衄し、衄すれば則ち解す。然る所以のものは、陽気重き故なり、麻黄湯之を主る。(『傷寒論』)
-- 脈浮なるものは、病表に在り、汗を発すべし、麻黄湯を宜しうす。(『傷寒論』)
-- 脈浮にして数なるものは、汗を発すべし、麻黄湯を宜しうす。(『傷寒論』)
-- 傷寒、脈浮緊、汗を発せず、因りて衄を致すものは、麻黄湯之を主る。(『傷寒論』)
-- 陽明病、脈浮、無汗にして喘ぐものは、汗を発すれば則ち愈ゆ、麻黄湯之を主る。(『傷寒論』)
組成
麻黄三両、桂枝二両、甘草一両(炙)、杏仁七十個。上四味、水九升を以て、先ず麻黄を煮、二升を減じ、上の沫を去り、諸薬を納れ、煮て二升半を取り、滓を去る。温服八合。覆いて微しく汗するを取る、粥を啜るを須いず。余は桂枝の法の如く将息す。(傷寒雑病論)
用法
上四味、水九升を以て、先ず麻黄を煮、二升を減じ、上の沫を去り、諸薬を内れ、煮て二升半を取り、滓を去り、温服八合。覆いて微しく汗するを取る、粥を啜るを須いず、余は桂枝の法の如く将息す(現代用法:水煎服し、温覆して微汗を取る)。
剤型
湯劑
功用
発汗解表、宣肺平喘。
伝統的主治
外感風寒表実証。悪寒重く、発熱軽く、頭痛、骨節疼痛、無汗にして喘ぎ、苔薄白、脈浮緊。
加減
風湿などで身体が煩疼する者:蒼朮:10、薏苡仁:30を加える。
-- 鼻塞・流涕が重い者:炒蒼耳子:10、辛夷:10、白芷:10を加える。
注意
1.本方は辛温発汗の峻剤であるため、『傷寒論』では「瘡家」「淋家」「衄家」「亡血家」、および外感表虚の自汗、血虚で脈に「尺中遅」を兼ねるもの、誤下により「身重心悸」を生じたものなどに対して、表寒証があってもすべて禁用とされている。麻黄湯は薬味が少ないが発汗力が強く、過服してはならない。さもなければ汗が出過ぎて必ず人の正気を傷つける。柯琴が指摘するように、「これは純陽の剤であり、発散が過ぎる。単刀直入の将のごとく、投じるのが適切であれば一戦で成功する。適切でなければ収まらず禍を招く。ゆえにこれを発表に用いるには、一度でよく再びはならない」(『傷寒来蘇集・傷寒附翼』巻上)。
2.麻黄を15g以上用いる場合は、少なくとも二時間は久しく煮る必要がある。
3.麻黄を含む処方は午後八時を過ぎて服薬してはならない。さもなければ不眠を生じやすい。それでも不眠がある場合は、朝と昼食後の服用に変更すればよい。