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猪苓湯
傷寒論湯劑
出典に基づく教育参考
出典
傷寒論
原文
-- 陽明病、脈浮にして緊、咽燥口苦、腹満して喘ぎ、発熱汗出、悪寒せず反って悪熱、身重、若し発汗すれば則ち躁、心愦愦、反って譫語、若し温針を加うれば、必ず怵惕煩躁して眠るを得ず、若し之を下せば、則ち胃中空虚、客気膈を動かし、心中懊憹、舌上苔ある者は、梔子鼓湯之を主る、若し渇して水を飲まんと欲し、口乾舌燥の者は、白虎加人参湯之を主る、若し脈浮発熱、渇して水を飲まんと欲し、小便不利の者は、猪苓湯之を主る。(『傷寒論』)
-- 陽明病、汗出多くして渇する者は、猪苓湯を与うべからず、汗多くして胃中燥、猪苓湯復た其の小便を利する故なり。(『傷寒論』)
-- 少陰病、下利六七日、咳して嘔渇、心煩眠るを得ざる者は、猪苓湯之を主る。(『傷寒論』)
-- 脈浮、発熱、渇して水を飲まんと欲し、小便不利の者は、猪苓湯之を主る。(『金匱要略』第十三篇第十三条)
組成
猪苓、茯苓、沢瀉、阿膠、滑石 各一両。上五味、水四升を以て、先ず四味を煮、二升を取り、滓を去り、阿膠を内れ烊消す。温服七合、日三服。(傷寒雑病論)
用法
上五味、水四升を以て、先ず四味を煮、二升を取り、滓を去り、阿膠を内れ烊消す。温服七合、日三服。
剤型
湯劑
功用
熱を瀉し尿を利し、湿を除き燥を潤す。
伝統的主治
1.水熱互結証。小便不利、発熱、渇して水を飲まんと欲す、或いは心煩眠るを得ず或いは兼ねて咳嗽、嘔悪、下利を見る。
2.亦た淋疾、尿血、小便渋痛、点滴難出、小腹脹痛の者を治す。
加減
小便不利、尿量少なき者:五苓散を合す。
-- 膀胱癌、血尿:小薊飲子を合す。
-- 前立腺肥大、前立腺癌、膀胱癌、陰嚢腫脹、或いは厳重なる血尿:桃核承気湯を合す。
-- 腎盂腎炎、膀胱炎、泌尿系感染、淋証、小便不利、小便痛、小便灼熱:薏苡仁:45、大黄:1を加う。
-- 腎結石、膀胱結石、尿道結石、症として腹痛、腰痛、小便不利、小便痛を見る:問止中医29号方を合す。
-- 腎結石大顆の者:白朮:10、青塩:3を加う。
-- 腎結石、膀胱結石、疼痛劇烈:白芍:20、赤芍:10、炙甘草:10を加う。
-- 尿路感染発熱を伴う:小柴胡湯を合す。
-- 尿路結石、腹痛、腰痛、或いは血尿あり:柴胡:10、白芍:10、枳実:10、炙甘草:10を加う。
-- 陽虚厳重の者、舌質白淡胖大歯痕あり苔白滑:真武湯を合す。
-- 小便赤渋:木通:10、生地黄:15を加う。
-- 小便赤、脚癬、湿疹、女性骨盤炎、膣炎:連翹:10、梔子:10、黄柏:10を加う。
注意
若し内熱盛んにして、陰津大いに虧くる者は、忌用。『傷寒論』指出す:「陽明病、汗出多くして渇する者は、猪苓湯を与うべからず、汗多くして胃中燥、猪苓湯復た其の小便を利する故なり。」水湿内滞にして陰虚の徴象なき者は忌用、阿膠の滋膩を防ぎ以て湿を助け邪を留むるを。